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高山植物の宝庫、御室から山頂をのぞむ

登山時期
一般登山者には、毎年5月第3日曜日に開催される山開き前後から、登山道が雪で覆われる直前の11月上旬頃までが適期です。栗駒山は「花の百名山」と紅葉の美しさで全国的に知られていることから、多様な高山植物と花が咲き誇る夏と、紅葉最盛期の秋には全国から大勢の登山愛好家や写真家、行楽客で賑わいます。
11月下旬から4月下旬までは、主要な登山口までの道路が積雪により冬季通行止めになります。厳冬期には上級者や熟練者でも容易に受け付けない厳しい世界に変わります。

登山道
入門者から上級者まで楽しめる9つの登山道があり、全登山道とも日帰り登山が可能です。散歩の延長上で登山できる入門者向けの舗装された登山道(中央)から、長距離で本格的な登山道(表掛、湯浜)まであります。主要な登山道は整備が行き届き、その登山口には駐車場や洗面所、日帰り温泉、宿泊施設などの設備が充実しています。登山道には宿泊できる営業小屋(山小屋)はありません。幕営は国定公園内なので禁止されています。

気象
栗駒山は標高1,626mと決して高い山ではありませんが、高緯度にあることから中部山岳地方の2,500m級の高山に匹敵します。さらに単独峰特有の季節風の影響を強く受ける気象条件です。栗駒山は「風の山」とも呼ばれ、稜線上で強風が吹きあれることが珍しくなく、森林限界の低さがそれを表しています。低山だと甘く見て低体温症に陥り命を落とす登山者もいることから、そういう事態を回避するために万全の装備と心構えが必要です。

登山装備
栗駒山は危険な箇所が少なく、比較的安全に登山できる山です。ただし、行程が長い登山道もありますので、特に気象条件の急激な変化に対応できる服装や装備に気をつけてください。また、水場は基本的にありませんので、十分な飲料水が必要です。

交通手段
主要な登山道の基点となる「いわかがみ平」と「須川高原温泉」までの公共交通手段はありますが、登山最盛期の期間(休日)限定や便数が少ないなど、登山者に利用しやすい状況にないことから、自家用車やTaxiの利用が一般的です。その他の登山口までの公共交通手段はありません。温泉宿の送迎を利用するのもひとつの手です。

禁止事項
登山者の中には、高山植物を採取して持ち帰る人や、決められた登山道以外に足を踏み入れたり、休憩や写真撮影のため高山植物を踏み荒らしてしまう人がいます。また、ごみや壊れた装備を捨てる人も見受けられます。とるのは写真だけ、持ち帰るのはごみと楽しい思い出だけにして、高山植物と美しい景観を守りましょう。

安全最優先
登山は自己責任です。登山者の体力と経験に見合った綿密な登山計画を立て、体調管理と装備、気象と登山道の入念な下調べができる方だけが安全に登山できます。危機管理と安全を最優先に、栗駒山を楽しみましょう。