栗駒山は奥羽山脈のほぼ中央に位置し、那須火山帯に属する第四紀の複式成層型火山で、今も火山活動が続いている活火山です。
外輪山は南側だけが残存し、最高峰の栗駒山を中心に、東方に東栗駒山と笊森(ざるもり)、西方に御駒山(おこまやま)、秣岳(まぐさだけ)、南西方に虚空蔵山(こくうぞうやま)、南方には大地森(だいちもり)と秣森(まぐさもり)、揚石山(あぐろしやま)などがあります。北側の外輪山は崩壊や浸食が進み、不鮮明となっています。
山頂北側の須川爆裂火口内には中央火口丘の剣山があり、硫気活動が盛んで、立入禁止地域もあります。有史以来数回の活動が記録され、昭和19(1944)年の小噴火による泥土噴出により昭和湖と須川湖が形成されました。剣岳南東側には小規模な水蒸気爆発の痕跡と思われる凹地や池が多数分布しています。
注意事項
○ 須川登山道の地獄谷は硫化水素などの有毒な火山性gasが噴出しています。すみやかに通り抜けましょう。
○ 昭和湖は硫化水素などの有毒な火山性gasが湖底及び湖岸から噴出していますので、風が弱いときは近づかないようにしましょう。
○ 入山中は五感を研ぎ澄ませ、噴気の増加、異臭、振動など異変に気付いた場合は、速やかに安全地帯に避難するか下山しましょう。
○ 登山道以外の立ち入りは危険です。特に、立ち入り禁止箇所には絶対に侵入しないよう注意しましょう。
○ Radioや携帯電話などを携行し、常の最新の情報を収集しましょう。
気象庁 栗駒山の活動状況
気象庁のweb siteで、栗駒山の火山に関する活動状況の情報が提供されています。
平成27年8月4日、登山者などに噴火の事実をいち早く伝える気象庁の「噴火速報」の運用が始まりました。
気象庁が24時間態勢で監視している栗駒山を含む全国47の活火山で、新たに噴火が発生した場合や、より規模の大きな噴火が発生した場合に、5分以内をめどに発表されます。
ただし、栗駒山では防災行政無線の整備が進んでおらず、携帯電話の電波が届かない場所もあることから、あらかじめ火山活動に関する情報などを確認したうえで注意して行動したいものです。